私たちの仕事

業務の流れ
養豚場における主な業務の流れと、常陸牧場の経営形態についてご紹介いたします。
常陸牧場では、豚が生まれてから出荷までの全行程を自社で一貫して管理する「繁殖肥育一貫経営」を採用しています。
具体的な流れとしては、母豚の発情確認および人工授精から始まり、約114日の妊娠期間を経て分娩に至ります。生まれてきた子豚は、約180日間の適切な飼育管理のもと、出荷目安となる体重116kgまで大切に成育させ、出荷となります。
このようなサイクルの全ての工程に責任を持って取り組むことで、牧場は日々動いています。

2サイト方式の導入
常陸牧場では、衛生レベルを高く保つため、繁殖舎と肥育舎のエリアを物理的に分ける「2サイト方式」を導入しています。
繁殖舎と肥育舎の間でスタッフの往来を制限することで、病原菌の拡散を防ぎ、豚たちが健やかに育つ、より清潔で安全な環境を整えています。
担当部署の体制
従業員は役割に応じた各部署に分かれ、責任を持って管理にあたっています。
- 種豚舎・分娩舎:人工授精や母豚と子豚のケア、離乳舎の管理も行います。
- 肥育舎:出荷に向けて、一頭一頭の健康状態を見守りながら生育管理を行います。
施設と業務
繁殖舎(種雄舎・種豚舎)
種雄舎
約10頭の雄豚を飼養しています。冷房設備を完備しており、夏場でも室内を約20℃前後に保つことで、雄豚にとって非常に快適な環境を整えています。
また、常陸牧場では雄豚の精液を自社採取しており、種雄舎に隣接して採取場を設けています。精液の品質は環境ストレスに大きく左右されるため、雄豚にとって最適な環境を維持することで、繁殖成績の安定化を図っています。
種豚舎
種豚舎は「種付けストール」と「妊娠ストール」の2つに分かれています。
※ストールとは、豚一頭ごとに区切られた柵のことです。
種付けストールは、主に子育てを終えた母豚が再び妊娠するための人工授精を行う場所です。その後、受胎が確認された母豚は妊娠ストールへと移動し、約114日間の妊娠期間をここで過ごします。
人工授精の流れ
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01 発情確認
子育てを終えた母豚(離乳母豚)は、離乳から約5日後に再び発情を迎えます。そのサインを確認するため、母豚の前に雄豚を歩かせ、スタッフが母豚に刺激を与えながら1頭ずつ丁寧に発情確認を行います。
発情が確認出来次第、順次人工授精をしていきます。 -
02 精液の採取
人工授精に使用するため、隣接する採取場で雄豚の精液を採取します。その際、雄豚が擬牝台(母豚を模した台)に乗る習性を利用して、スタッフが採取にあたります。
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03 精液の検査
採取した精液は、希釈して量を調整した後、顕微鏡で精子の状態を詳細に検査します。異常がないことを確認した上で専用のパックに充填します。このパック1つが、母豚1頭への1回分の人工授精に使用されます。
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04 人工授精(AI)
人工授精の際は、母豚に専用の器具を装着し、母豚に「雄豚が上に乗っている(交配している)」という錯覚に近い刺激を与え、自然な状態で精液を注入できるよう工夫しています。スタッフは母豚の様子を一頭ずつ慎重に見極めながら進めていきます。

妊娠鑑定
人工授精を終えた後は、妊娠鑑定にて受胎の確認をします。
超音波診断装置(エコー)を使用し、適切なタイミングで受胎の有無を正確に判別出来るよう心がけております。
※人工授精を行ってから約23日後、確実に見えるようなタイミングで行います。
繁殖舎(分娩舎)
分娩舎は母豚が分娩間近から子豚が離乳するまで過ごす豚舎です。
1部屋あたり28頭の母豚が飼養でき、全6部屋で構成されています。
子豚は寒さに弱く、母豚は暑さに弱いという特性があります。
そのため、部屋全体の温度は母豚が快適に過ごせる温度に保ちつつ、豚房内には専用のヒーターを設置しています。一部分だけが暖かい場所を作ることで、子豚と母豚がそれぞれ最適な温度環境で過ごせる造りになっています。
分娩措置
分娩後、生まれた子豚の耳に小さな切れ込みを入れる処置を行います。この処置を行う理由はいくつかありますが、一番は生まれた日付の記録が目的です。何日令で出荷されたのかを管理し、品質の安定に繋げています。
里子
母豚は一度に約10〜15頭産みますが、子豚の数に対して母豚の乳頭の数が足りない場合があります。その際、他の母豚に育ててもらう「里子」という仕組みをとっています。 どの子豚をどの母豚に託すかは、子豚の体格や母豚の状態など、様々な条件を考慮して慎重に決定しています。
繁殖舎(離乳舎)
離乳舎は、分娩舎で約3〜4週間母豚のもとで育った子豚たちが、親離れをして他の子豚たちだけで成長していくための施設です。
役割は肥育舎と同様、子豚を大きく育てることですが、繁殖舎側に隣接しています。離乳舎は全8部屋あり、1部屋(10マス)につき最大400頭(1マスあたり40頭)の飼養が可能です。
室内は機械による自動空調と床暖房を完備しており、子豚にとって常に快適な環境を維持することで、健やかな成育を促しています。ここで生後約70日令まで過ごした後、肥育舎へと移動します。
肥育舎
肥育舎は、離乳舎から移動してきた子豚たちが、出荷を迎える生後約180日までを過ごす施設です。
全部で8棟あり、豚舎の構造により異なりますが、1棟あたり約750~990頭の飼養が可能です。
給餌には、飼料と水を混ぜた液体状の餌を与えるLFS(リキッドフィーディングシステム)を導入しています。自動で給餌を行うシステムですが、スタッフが毎日子豚たちの食いつきや体調を直接観察し、状態に合わせて餌の調合を微調整しています。
また、出荷時には一頭一頭の体重を厳格にチェックし、常に高品質で安定した供給を心掛けております。